津軽十三湊伝説 白鬚水と夫婦梵鐘

つがるとさうらでんせつ しらひげみずとめおとぼんしょう

テーマ

十三湖がかつて十三浦(とさうら)と呼ばれていた頃、たびたび襲われる大洪水・津波を白髭水と呼んでいた。白髪の老人がその波に乗りやってくるからだと言う。この十三浦にまつわる儚い恋伝説がある。1715年、現在の五所川原市飯詰にある長円寺で開山一世聖眼雲祝大和尚の報徳の梵鐘をつくることとなり、兄寺である弘前市長勝寺との一対の梵鐘を洛陽(京都)の近藤丹波藤久に依頼した。翌年、京都で誕生した一対の夫婦梵鐘は、海路日本海を経て五所川原と弘前を目指した。ところが、船が十三浦に入港しようとした時、大荒れの時化に襲われ、夫婦梵鐘は海底深く沈んでしまった。後日、梵鐘の捜索を行い長円寺の雄鐘は引き上げたが、長勝寺の雌鐘はとうとう見つけられなかった。後に、長円寺に納められた雄鐘を衝くと『十三恋しやゴーン』と引き裂かれた悲しみに溢れた音色がするという。ねぷたは、夫婦梵鐘が白髭水により引き裂かれた場面を表現したものである。

制作者

福士 裕朗

製作年

平成27年(2015年)

運行期間

平成27年〜29年